ボートトレーラの要点

 

ボートトレーラの製作

ボートトレーラを製作するにあたって、一番気をつけなければならないことは、水に付けることが前提で有るため、各部の排水処理能力です。

防水能力としないのは、フレームなどの構成材や灯火装置などに於いて、いくら防水と謳われていても、その効果は永久ではないため、水が入ってしまうことを前提とし、後はその入ってきた水をいかに残さずに排出するかを考えたほうが、最終的に長持ちするという結果にたどり着いたためです。

 

実際にトラックなど長期に渡る耐久性を求められるものに於いても、パイプ材などを使用した場合には、完全に密閉してしまうのではなく、あえて穴などを開けて水の抜けを良くしています。

これは密閉しているということは、逆を考えると入ってきた水が抜けづらいということで、それが海水であれば各部に与えるダメージはとても大きなものになってしまうのは、簡単に理解できることで、水さえ抜けてしまうのであれば後は洗剤を使用した洗車などにより、容易にメンテナンスが可能となるため、フレーム材などに於いては端部をふさいでしまうのでは無く、あえて筒抜けの状態にしておいたほうが良いということを意味します。

 

フレーム材に於いては、なるべく特殊な加工を施さず、溶接などの火を入れることも極力避け、ボルトナットの締結を主体とします。

こうすることにより、例えば右側のフレームのサビがひどくなってきたときには右側のフレームだけを再度製作し、付け替えることにより、なんの問題もなくまた使用することができるからです。

溶接により固定してしまうと、熱の加えられた金属は錆びやすくなるばかりか、そのような状況に於いて交換が必要となった場合において、ボルトで締結されているものよりもはるかに手間がかかってしまいます。

そのようなメンテナンスが面倒くさいのであれば、一思いにステンレスにしてしまうのも手です。

ドブ漬けのメッキを依頼するくらいであれば、主要な骨格を総ステンレスにした方がサビの心配からは解放されます。

ドブ漬けのメッキと言っても海水に付けると寿命は著しく低下し、傷などが入ってしまえばそこからサビが発生し、修理をする場合、その周囲のメッキは剥がされてしまいます。

ステンレスの場合、ヘアーラインや磨きがかかったものでなければ、炭素鋼材と比べても値段が倍も違うということはありません。

ステンレスを使用する場合注意しなければならないのは、溶接が必要な箇所においては、溶接棒や溶接ワイヤーがステンレス用でなければなりません。

ステンレスの特性として塩化物は表面の皮膜を侵しやすいので洗わなければならないことに変わりはなく、電位が高いため他の鋼材などと接触させて固定しておくと、電蝕という反応が発生し、他の金属を錆びやすくします。

またアルミなどのリベットは総アルミ製ならまだしも、他材質と組み合わせる場合、電蝕によりあっという間にボロボロになってしまいますので腐食の激しいアルミなどのイオン化傾向の高い金属は使用しないほうが得策です。

 

船台となる部分のフレーム部分は角パイプ形状でも、安価で曲げ加工を行ってくれる鉄工所が各地に存在しているので、最寄りの鉄工所などに相談してみると良いでしょう。

水に浸かることを考慮すると、可能なかぎり溶接などの火をいれないほうが長持ちします。

 

車軸は船の形状にもよりますが、通常のものはV型のハル形状をしているため、車軸を左右連結させているリジッドタイプのものであれば中央部分にハルのトップの部分の逃げを作ったほうが、低重心化を図ることができ、また船の積み下ろしを容易にすることも可能となります。

左右の車軸を左右それぞれ独立させる独立懸架方式、いわゆるIFSタイプの構造にすると、左右をつなぐ部分が存在しなくなるため、キールが地面にするまでボートの位置を下げることも可能となります。

ただし、IFS仕様にすると、リジッドアクスルのものより構造が複雑になり、部品点数も増えるため、ある程度の知識をお持ちの方にお薦めいたします。

 

お取扱商品 お役立ちツール  ページに、ボートトレーラの一般的な図面をアップロードしておきますので、こちらも御覧ください。

 

ボートトレーラの場合、基本となるフレームは左右のメインフレームとクロスメンバーだけですので、点数にすると簡単なものの場合でフレーム材は8点程度となります。

これ以外の部分は、緩衝装置の方式や船台部分をローラー式にするのかあるいはバンク式にするのかなどによって変わってきますのでメインとなるフレームは、たったこれだけで完成します。

 

 

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