制動装置の強度計算用の公式はかなりの数が存在しますので、順次アップしていこうと思っております。 ドラムブレーキ/ディスクブレーキ共通項目
ブレーキの取り付けボルトの強度計算用の公式
これは、キャリパーや、キャリパーマウントを固定しているボルトや、ドラムブレーキのバックプレートを固定しているボルト等、車軸中心からサークル上にあるボルトの強度の算出方法ととなります。
必要となるデータは、制動能力の計算のページで算出されたブレーキトルク T 、車軸中心から強度を算出する固定用ボルトが装着される円上までの半径 r 、車軸の中心からドラムの内径、又はディスクパッド中心までの距離 R ,固定ボルトの使用されている本数 n 、固定ボルトの直径 D となります。
これで算出されるのはせん断に対する安全率となります。
せん断応力 τ の算出
この応力を元に、使用されているボルトの引張強度 σb からせん断強度 τb を算出、安全率 f は、
以上であること。
ハブ、ハブボルトの強度計算用公式
こちらについては、走行装置用 のページにて解説しております。
ドラムブレーキ項目ブレーキドラムの強度算出
ドラムブレーキでホイールシリンダーやウェッジ、又はSカムなどによって、シュー本体にかかる荷重が把握できているものとして話を進めてまいります。(算出方法等は 制動能力の計算 のページ 取扱商品 お役立ちツール のページを参照)
算出にあたり必要なデータは以下の通りとなります。
シューに入力される力 F (kgf)、 ライニングの幅 b 、ライニングの当たり面の長さ l 、ドラム内半径 r1 、ドラム外半径 r2
ブレーキドラムを破壊するときの内圧 P の算出
ただし、 、また σb はドラムの材質の引張強度
最大面圧 P0 の算出
これより安全率 f の算出
であること。
シューの強度算出
シューの強度算出には、以下のデータが必要となります。
シューに入力される力 F (kgf) 、図中 χ の長さ χ 、図中 y の長さ y 、図中 α の角度 α 、車軸中心からアンカーピンもしくはホイールシリンダ中心までの長さ r 、図中A-A’のシューの断面係数 Z となります。
これより、ブレーキ押力 H の算出
続いて、モーメント M の算出
曲げ応力 σ の算出
これより安全率 f の算出
であること。
アンカーピンのせん断強度
上図中、D 部分がアンカーピンで、この様にアンカーピンが 2 本ある場合(単動ツーリーディングや、リーディング・トレーリング式)は n=2、デュオサーボ式やユニサーボ式の様にアンカーピンが1本の車両の場合は n=1 とし、複動ツーリーディングの車両の場合は算出の必要がありません。
必要なデータは以下の通りです。
軸重量を W 、車軸中心からアンカーピンまでの距離を r 、タイヤの有効半径を R 、アンカーピンの直径を D とします。
アンカーピン一本あたりに受ける力 F
せん断力 τ
安全率 f の算出
であること。
ディスクブレーキにつきましては今まで特にローターの圧縮強度の提出などを請求されたことがありません。
基本的にはキャリパーやマウントなどの固定ボルトのせん断強度を算出することによって、ディスクブレーキの機械的強度の検討はクリアしておりますが、ドラムブレーキの場合ドラム本体の破壊強度は算出することになっておりますので、ここではディスクローターの圧縮強度を算出する公式を上げてみたいと思います。
ディスクローターの圧縮強度
必要となるデータは以下の通りです。
ブレーキキャリパーピストンを押す力 F (kgf)、パッドの有効面積(片側) A 、ディスクローター材料の引張強度 σb 、キャリパの形状による係数 n 、これはフローティングキャリパーの場合は n=2 、対向キャリパーの場合は n=1 となります。
パッドを押す圧縮応力 σDの算出
安全率 f の算出
であること。
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