パラセーリング用ウインチについて

パラシュート販売開始と同時に多くのユーザー様よりウインチについてのお問い合わせを頂いております。

ウインチには電動式と油圧式の2種類をご用意することが出来ます。

それぞれのメリット、デメリットとして以下の点があります。

 

電動式のメリット (油圧式のデメリット)

  • 設置が容易で設備金額が比較的安価に収まる (設備が複雑で部品点数も多く金額がかさみやすい)
  • メンテナンスが簡単 (定期的な作動油の交換などのメンテナンスが必要)
  • 船外機、船内外機、船内機のいずれのものにも使用可能 (船外機艇に装着する場合更に追加設備が必要となる)

油圧式のメリット (電動式のデメリット)

  1. 巻き上げスピードを早くすることが出来る (巻取り能力をある程度確保すると巻き上げ速度が遅い)
  2. 巻き上げスピードの調整が容易 (巻き上げ速度調整をするためにはモーターその他の部品の変更が必要)
  3. バッテリーに対する負担が少ない (絶えず大電流の放充電を繰り返すため、バッテリーに対する負担が大きい)
  4. 業務使用などのように一日に何フライトも行う場合や高高度フライトにも対応することが出来る (消費電力と巻き上げ速度などから業務使用には不向き)
 

これらを踏まえた上で、オススメのウインチは・・・

業務使用の場合

上記のように、それぞれ一長一短があって、全てを満たすものというのは存在しないのですが、パラセーリングをアトラクションとしてそれをコマーシャルユースの方(お仕事としてパラセーリングを行う方)につきましては、油圧一択となります。

これは、電動式の場合上述しておりますが、電動ウインチに使用されるモーターというのは2.4KW程度以上のものを使用するため消費電力が非常に高く、巻き上げ速度(送り出し速度)も油圧式と比較すると明らかに低速となるため、12Vの場合は200A程度の電流を、24Vの場合は100A程度の電流を長時間に渡って流しっぱなしにしなければいけませんのでバッテリーに対する負担も大きく、バッテリー容量が少なくなると巻き上げを行うこともできなくなってしまうため、フライト間のインターバルを長めに取る必要が出てきます。

また、オルタネーターを大容量タイプのものに交換して、フライト回数、高度などによってはサブバッテリーを装着するなどの艤装が必要となる場合もあります。

電動式のウインチの場合油圧式ウインチに比べると巻き上げ速度が比較的遅く、10~30m程度/分となるため、100mのフライト高度を出すのに150mのロープ長さが必要だとした場合、巻き上げ速度が30m/分だったとしても、フライヤーを船上に回収するまでに5分の時間がかかってしまいます。

もちろん毎分30mでずっと巻き続けるわけには行きませんので(ロープ巻き取りによって巻き取り径が変わるため)、最初はもう少し遅くなることを考慮すると、およそ7~8分程度の時間を要する覚悟が必要となります。

負荷重量が少なくなるため、送り出しの時は巻取りの時ほど時間はかかりませんが、それでも劇的に差があるわけではありませんので、送り出し時もほぼ同じ時間が掛かるものとして考えると、飛行予定高度に達するまでの往復が約15、6分となります。

一般的なフライト時間は30分~45分程度ということを考えると、半分程度は送り出しと回収に要してしまうこととなり、フライヤーの感覚としては「上に上がったと思ったらすぐに降ろされた・・・」と言うものになってしまいます。

更には、送り出しで7~8分回して時間が来たのでフライヤーを回収するとした場合、飛行予定高度でフライヤーを飛ばしていた時間だけがインターバルタイムとなり(30分行程の場合だと、約15分程度、40分行程で約30分程度)、その間に消費した電流を充電しなければいけません。

油圧式ウインチの場合、巻き上げ速度がだいたい30~80m程度/分となるため、送り出しと巻取りに掛かる時間を大幅に削減することが出来、インターバルタイムを長く取ることが出来るため、その間油圧ポンプを切れば油温の上昇も抑えることが出来、フライヤーの回収後、立て続けに次のフライヤーのフライトへと移行することが出来ます。

そして何よりも 「たくさん遊ばせてもらった・・・」と、フライヤーの満足度が異なってきます。

このようにウインチに求められる性能は、巻取り能力(重量)も去ることながら巻き上げ速度の速さが大きい方が使い勝手の良いものとなります。

ただし、これもトーイングするボートの性能にも左右され、80m/分 で送り出せたとしてもボートのトーイング時の最高速度が極端に低かったり、加速度が極端に悪かったりした場合はそのウインチの能力を使い切ることが出来ません。

毎分80mとした場合 時速4.8km=3ノットですので、風向きなどを考慮してのテイクオフ速度+4.8ノットで浮上、それ+αの速度が浮上率となります。

また、油圧ポンプは船内機や船内外機のエンジンからベルトやシャフトを介して駆動させるため、ポンプを装着・駆動しない状態での加速力と異なることをご理解下さい。

この高圧・高流量ポンプを駆動させるためには、ボートに取り付けられているエンジンの出力から、おおよそ10馬力から25馬力程度の馬力を消費します。

ちょうど自動車でエアコンを入れるか入れないかの違いのようなもので、エアコンを稼働させると車が重く感じるように、ボートもポンプを回すと一般的に体感できる程度船足が遅くなります。

これらのことを考慮して、当社取扱の一つであります米国パラセーリング用品専門のショップで開発されたウインチは、エンジン出力350馬力以上(32ft艇の場合)となっています。

油圧ウインチの場合、当社ではコマーシャルユース向けに上記の輸入品1式の他、自社開発のコマーシャルユース向け油圧ウインチ1式、コマーシャル/パーソナルユース向けの油圧ウインチ1式の計3点のラインナップが有ります。

当社取扱の油圧ウインチの詳細を見る


船外機艇の場合

 船外機の場合、油圧ウインチは付けることが出来ないのか?

いえ、そんなことはありません。

ただ船外機艇の場合、ポンプをエンジンに取り付けて油圧を得るわけでは無くパワーユニットと言うものを使用して油圧を発生させることとなります。

パワーユニットは独立した油圧発生装置であるため、船外機のパワーロスを引き起こすことはありません。

つまり、油圧発生用に専用の小型エンジンを搭載した油圧ポンプと油圧タンク等が一体となったものであり、イメージ的には発電機を船に積むような感じでしょうか?

エンジンについては、ガソリン・ディーゼルのどちらからも選択可能でボートの燃料を使用することも可能ですし、ポンプもウインチに見合ったものを装着することが可能です。

この形で偽装していくのであれば、船外機艇でも油圧ウインチを装着しコマーシャルユースとしてパラセイル事業を行うことが可能です。

また、パラセーリングの運用比率が低い場合のコマーシャルユースや、特に仕事としての運用は考えておらず専ら趣味としてというのであれば、電動ウインチも選択肢に入ってきます。

先にも申し上げておりますが、電動ウインチの場合どうしても巻き上げ速度が遅くなる傾向にあるため、一日に何本ものフライトを行うというスケジュールをこなすには無理が生じてきますが、「バナナボートやウエィクボードなども同じ船で行う予定だ・・・」というような場合であれば、インターバル時間を長く取ることも可能であり、充分に運用することも可能となってきます。

当社でご用意できます電動ウインチのうち コマーシャル/パーソナルユース向けのものは、ブラシレスモーターを使用しており、速度コントロールで低速巻きとしても巻取り能力が低くなることはありません。

電動ウインチの場合は、コマーシャル/パーソナルユース向けの電動ウインチ1式(巻取り・送り出し速度調整可)、パーソナルユース向け電動ウインチ1式(速度調整不可)の計2点のラインナップを揃えました。

ともに12/24Vのどちらの選択も可能な商品となります。

当社取扱いの電動ウインチの詳細を見る

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