けん引するボート、PWC、その他について

けん引するボート、PWC、その他について

この部分については誰もが皆、不安に感じていることと思います。

実際の問題としてパラセーリングを行う以上、フライヤーを空中にフライトさせなければ、ただ単にフライヤーを引廻しているだけで、楽しくないどころか危険ですらあります。

結論から申し上げますと、平均的なサイズの大人(55kg ~ 80kg 程度)で風が穏やかな状態であった場合、15km/h ~ 20km/h 程度の対気速度でテイクオフすることができます。
この時、使用されるパラシュートのサイズが大きければより低速でテイクオフすることが可能であり、またフライヤーの重量が軽かった場合も同様に低速でのテイクオフが可能となります。
更に、風の向きや風速にも左右され、向かい風で多少風がある場合はテイクオフのスピードが低くなります。

基本的に風上に向かって離着陸するのが空を飛行する物を運航する上での常識となっておりますが、これは対地速度ではなく対気速度を上げるための手法です。

つまり、無風状態で対地速度が 0 の場合は、対気速度も 0 となりますが、時速 10km/h の向かい風(風速 約2.7m/秒)の時は、その場に静止している状態でも対気速度は 10km/h になるということで、この場合先に述べた条件でフライヤーがテイクオフするには、5km/h ~ 10km/h 程度の速度でテイクオフ出来るということです。

これによりけん引するビークルは、パラシュートの大きさやフライヤーの重量を考慮したテイクオフに必要な対気速度を計算する必要があり、その速度の2倍程度以上の速度を維持できるビークルが必要となります。
これは、絶えず風上に向かってけん引することが出来る訳では無く、また、上空に行くと地表付近と風向きが異なっている場合がある事や、下降気流(ディセンディングとかダウンドラフトと言います)に巻き込まれた場合、Uターンをする事による対気速度の低下などから、そのような時にはけん引速度を上げる必要があるため、最低でも2倍程度のマージンが必要だということです。

通常のボートやPWC、スノーモービル、4輪バギーや車等において、この条項は満足されるものだと思います。

この他の要素として、けん引するビークルの重量や安定性があります。

空気の流れというのは、なかなか目で確認することが難しく、風の向きというのが水平面だけの2次元的な流れではなく、上昇気流(サーマルとかアップドラフトなどといいます)や下降気流があり、3次元の動きをしています。

通常であればトウロープはビークルの後方に装着されると思いますが、不意の上昇気流や上空における風速の異常増加の際には、けん引するビークルが軽量であった場合、持ち上げられる状態となり、けん引する側のビークルが安定性を欠いて転覆または転倒する可能性があります。
これもパラシュートのサイズやフライヤーの重量、けん引する速度等と密接な関係があり、けん引するビークルの安定性や重量も大きく関与します。
当然の事ながら、パラシュートサイズが大きいほど、フライヤーの重量が軽いほど、けん引する速度が早い(対気速度が大きい)ほど、ビークルの重量や安定性が少ないほど転覆や転倒の危険性が増してきます。

これらのことから、可能であるかぎり、けん引するビークルにはある程度の速度を保持でき、また けん引するパラシュートのフライヤーを含めた総重量の2倍程度以上の重量を有しており、安定性の高いものが推奨されます。

これ以外のビークルでもけん引することは可能ですが、リスクが高くなることをご理解ください。

この他テイクオフに関連することなのですが、ボート等比較的専有面積が広く取れるビークルに関しましては、船上からのテイクオフ、並びにランディングが可能となります。
ただしこの場合はトウラインの送り出しや回収に使用するウインチ等が必要となり、人の手による送り出しや回収は危険ですので行わないようにしてください。
また、PWC等の場合で、水上にあるウエイクボードや水上スキーなどからのテイクオフは、パラシュート本体が水中に没する可能性があり、その際フライヤーが負傷したりパラシュート本体が破損するおそれがありますので絶対に行わないでください。
このような場合のテイクオフの方法は、砂浜などからパラシュートを開いた状態でフライヤー、けん引するビークルを操縦するドライバー以外のスタッフに保持してもらい、トウロープに軽くテンションを掛けた状態で、けん引するビークルとともに数メートルほど走ることによりテイクオフすることが可能です。

動画のコーナーにテイクオフの状態が写っている動画をリンクいたしておりますので、どうぞご覧になってください。

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